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近藤研の福島優斗氏、カルフォルニア大学 バークレー校 滞在報告

物性研究所近藤研究室の福島優斗氏が物性研究所海外学生派遣プログラムを利用して、カルフォルニア大学バークレー校に2025年2月17日から3月28日まで滞在し、時間・角度分解光電子分光測定を用いて、2次元物質における光励起ダイナミクス及び励起子のダイナミクスについて研究を行いました。

このプログラムは2017年度から始まったもので、海外での共同研究を通じて、豊かな経験を持った国際的な活躍が期待できる人材を育成することを目的として、大学院生を海外の研究機関に数ヶ月間派遣しています。


近藤研究室(D2)福島優斗

概要

カリフォルニア大学バークレー校に1か月半滞在し、2次元物質における光励起ダイナミクスの研究を行いました。今後の発展が期待される結果が得られただけでなく、現地の多様な価値観に触れることができ、充実した研究生活を送ることができました。

活動内容

2次元層状物質における励起子の超高速ダイナミクスを直接観測するため、カリフォルニア大学バークレー校のLanzara教授の元で時間・角度分解光電子分光測定(Tr-ARPES)を行いました。Tr-ARPESは近赤外線で励起した試料の状態を、直後に照射した深紫外線を用いて検出する実験手法です。異なるバンドギャップを有する2つの物質の結果を比較することで、光励起ダイナミクスにおける励起光とバンドギャップのエネルギーの関係性を調べました。また、得られたデータについてLanzara教授をはじめとして、実験をサポートしてくださったスタッフの方々と議論しました。

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筆者(左から1番目)と滞在先のAlessandra Lanzara教授(左から2番目)と実験をサポートしてくださったスタッフの方々。奥は実験に使用した時間・角度分解光電子分光装置。

バークレーが面しているサンフランシスコ・ベイエリアには、スタートアップや大手のハイテク企業、さらにはカリフォルニア大学やスタンフォード大学などの教育・研究機関が数多く集まっています。多様なバックグラウンドをもつ学生が世界中から集まっており、彼らとの交流を通して多様な価値観に触れることができました。将来のキャリアパスについて考えさせられる、非常に充実した日々となりました。

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ローレンス・バークレー国立研究所からの夕焼け。手前にUCバークレーのキャンパスとバークレーの街並み、サンフランシスコ湾の際にはサンフランシスコの街並みを一望できる。

今回の測定では、我々が想定していなかった光励起過程を示唆する結果が得られました。今後は実験条件を変えながら測定を行い、今回観測された結果と励起子のダイナミクスの関係性などを明らかにしていく予定です。

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(公開日: 2025年04月01日)