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川島研究室

研究テーマ

  • 統計力学モデルの諸性質の解明
  • 多体問題の数値解法の研究
  • 臨界現象の一般論
  • 物性理論における計算量の理論

最近、人工知能/機械学習/量子計算などの流行で社会的にも計算機に注目が集まっているが、我々の研究グループでは計算統計力学の方法に含まれる数理的コアを明らかにし、新しい手法を開発することを基本に研究を進めている。その応用として、統計力学の未解決問題の解明や強相関量子系における実験研究との比較計算などを行っている。そこで用いられる量子モンテカルロ法やテンソルネットワーク法はボルツマンマシンやデータ圧縮を通じてデータ科学とも接点を持っている。とくにテンソルネットワーク法は近年急速に発展してきているが、我々は、この手法の一般的なデータ解析への応用の可能性を探求している。例えば、ツリー型テンソルネットワークによって、与えられた多変数サンプル集合からそれを実現する確率分布関数を獲得する生成モデルを構築することに成功した。この生成モデルは、ネットワーク構造を自動最適化するところに特徴があり、新しいタイプの機械学習の可能性を拓くものと期待している。

fig1
ツリーの基本変形。3通りの可能性から情報流を最小にするものを選ぶ
fig2
米国株価指標S&P500に含まれる銘柄の騰落パターンの学習から生成されたツリー構造。業種ごとに色分けされている。同じ業種がツリー上でも近くに来ている様子が分かる。(©2025 Kenji Harada)

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