橋坂研究室
研究テーマ
- 分数量子ホール準粒子のエニオン統計
- トポロジカルエッジ状態のダイナミクス
- メゾスコピック系の量子輸送
電子の量子的性質と電子間相互作用を起源として、著しく非自明な物性が発現することがある。 超伝導、分数量子ホール効果、近藤効果などがその代表例である。これら「量子多体系」の特異性は、その素励起の性質としてひときわ鮮やかに観測される場合がある。例えば分数量子ホール系における素励起(準粒子)は、素粒子であるはずの電子1個の電荷(素電荷)よりも小さな分数電荷を持つことが確かめられている。またこの準粒子は、ボーズ統計・フェルミ統計と異なる量子統計(エニオン統計)を持つことが知られており、トポロジカル量子計算への応用が期待されている。本研究室では、量子多体系の素励起を観測・制御することにより、電子や光子などの自然な粒子では実現できない、新奇な量子技術の確立を目指して研究を行っている。