佐藤研究室
研究テーマ
- 量子磁性体における巨視的量子現象
- 準周期構造を持つ磁性体の磁気構造やダイナミクス
- 流動するスピン集団の示す非平衡定常状態
- 新しい中性子散乱手法の開発
磁性体における電子スピンおよびスピン間相互作用の幾何学的配置はその磁性状態を決定する重要な因子の一つである。我々は結晶対称性やその破れに起因する磁気基底状態や励起状態の研究、さらには準周期構造(準結晶)に代表される、あらわな並進対称性を持たない構造中の磁気基底・励起状態の研究等を行なっている。具体的には反転対称性の破れた磁性体における非相反マグノン励起の観測、螺旋軸を持つ量子反強磁性ダイマー物質におけるトポロジカルトリプロンの確認、正20面体相準結晶磁性体における長距離磁気秩序の発見等があげられる。これらの成果は我々の主要な研究手法である中性子散乱を最大限に活用することで得られたものである。中性子散乱をさらに発展させるため、新中性子散乱手法の開発も行なっている。