木村研究室

研究テーマ

  • 超精密加工・計測法を活用した高精度X線光学素子の開発
  • X線自由電子レーザーによる液中試料フェムト秒イメージング
  • 位相回復計算を利用したレンズレスイメージング
  • X線自由電子レーザー集光ビームによる非線形光学現象の研究  

本研究室では、X 線自由電子レーザーや放射光、高次高調波といった先端X 線光源を利用した、新たな顕微イメージング技術の開発に取り組んでいる。そのために、原子レベルに迫る超精密加工・計測技術や電子ビームリソグラフィなどの半導体製造プロセスを組み合わせ、様々な種類の新規 X 線光学素子を設計・作製している。具体的には、X 線用の超高精度集光ミラーや分光光学素子、溶液中試料計測のためのマイクロ流路デバイスなどのほか、計算機を利用したレンズレスイメージングのための位相回復アルゴリズムの開発を現在行っている。また、集光された大強度X線ビームによる非線形光学現象の開拓にも取り組んでいる。こうした先端 X 線光源と超精密 X 線光学素子を組み合わせたイメージングによって、生物・非生物を問わず、メゾスコピックな微細構造と物性の関係を従来にない空間的・時間的分解能で結びつけ、新たなサイエンスを切り拓くことを目指している。

SPring-8のBL07LSUに構築した軟X線タイコグラフィ装置CARROT(Coherent Achromatic Rotational Reflective Optics for pTychpgrahy)。全反射ウォルターミラーを利用した光学系を導入することにより、様々な波長の軟X線で試料を50 nm程度の分解能でイメージングすることが可能である。
タイコグラフィにより計測した哺乳類細胞の軟X線吸収(上段)・位相像(下段)。細胞内の微細構造を薄片化することなく透過観察することが可能である。

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