物性研の研究
物性研は、実験手法と物理理論のエキスパートが集結し物性を解明する世界的にもユニークな研究所です。研究は、新たな物質を作り出す “物質・システム軸( Materials and Systems)”、その性質を測定する “測定・制御軸(Measurements and Control)”、そして結果を理解し、新しい学術を創成する理論・計算の“概念軸(Theory and Computation)”の3つの軸を有機的に相互作用させながら、物質・物性科学を展開しています。
2016年には、量子物質グループと機能物性グループの横断型グループを設け、従来の物性・物質科学における学問領域の枠組みを超えた学融合研究を推進しています。
論文数
直近5年間では平均して年間約390編近い学術論文を発表しており、うち約4割は国際共著となっています。教員(教授・特任教授・准教授・特任准教授)一人当たりの論文数は共著を含め、年間約9編となっています。分野は物理学が最も多く、次いで材料科学、化学、工学となっています。高被引用論文数(Top1%, Top5%, Top10%)は年間30~40編あり、質・量ともに高いアクティビティを示しています。
物性研で行われている主な大型プロジェクト研究
物性研では、文部科学省等の各機関による公募型研究事業に採択されたプロジェクト研究、および研究機関や企業による受託研究を行っており、2023年度の総数は163件となっています。
プロジェクト名 | 期間 |
---|---|
電子構造のトポロジーを利用した機能性磁性材料の開発とデバイス創成(JST・CREST) | 2018.10~2024.3 |
AIが先導するオートメーションタンパク質工学の創出(JST・CREST) | 2022.10〜2024.3 |
2次元ホウ素未踏マテリアルの創製と機能開拓(JST・CREST) | 2021.10〜2024.3 |
先端レーザーイノベーション拠点(JST Q-LEAP) | 2018.11〜2024.3 |
水圏機能材料の先端構造・状態解析(科研・新学術領域研究(研究領域提案型)) | 2019.6〜2024.3 |
1000 Tバンド電子の探求と理解(科研・学術変革領域研究(A)) | 2023.4〜2028.3 |
1000テスラ科学の推進(科研・学術変革領域研究(A)) | 2023.4〜2028.3 |
2次元結晶ナノ構造の設計原理と量子機能性開拓(JST・創発的研究支援事業) | 2023.4〜2024.3 |
1000 T非摂動磁場効果の理論(科研・学術変革領域研究(A)) | 2023.4〜2028.3 |
スマート社会基盤素子に向けた最軽量原子層材料の開発(科研・基盤研究(S)) | 2021.7〜2026.3 |
連携研究機構
既存の組織の枠を超えた学の融合による新たな学問分野の創造を促進するため、学内の複数部局等が一定期間連携して研究を行う組織「連携研究機構」を設置しています。物性研が参画している連携研究機構は以下の通りです。
名称 | 参加部局 | 期間 | 参画所員 |
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マテリアルイノベーション研究センター(MIRC) | 新領域創成科学研究 物性研究所 工学系研究科 先端科学技術研究センター 生産技術研究所 |
2016.7.1 ~2027.3.31 |
秋山 英文、岡﨑 浩三、尾崎 泰助、小林 洋平、杉野 修、眞弓 皓一、森 初果 |
光量子科学連携研究機構(UTripl) | 理学系研究科 物性研究所 |
2016.12.1 〜2027.3.31 |
秋山 英文、板谷 治郎、小林 洋平、松永 隆佑 |
トランススケール量子科学国際連携研究機構 | 理学系研究科 低温科学研究センター 物性研究所 カブリ数物連携宇宙研究機構 |
2020.2.1 ~2030.1.31 |
岡 隆史、 岡﨑 浩三、押川 正毅、 大谷 義近、川島 直輝、小濱 芳允、近藤 猛、徳永 将史、廣井 善二、益田 隆嗣、松田 巌 、松永 隆佑、三輪 真嗣、森 初果 |
学際融合マイクロシステム国際連携研究機構 | 医学系研究科 工学系研究科 新領域創成科学研究科 情報理工学系研究科 物性研究所 先端科学技術研究センター 総合文化研究科 |
2021.4.21 〜2031.3.31 |
秋山 英文、井上 圭一、大谷 義近、三輪 真嗣 |
シンクロトロン放射光連携研究機構 | 物性研究所(主幹部局) 工学系研究科 新領域創成科学研究科 生産技術研究所 定量生命科学研究所 先端科学技術研究センター |
2022.4.1 ~2032.3.31 |
井上 圭一、岡﨑 浩三、尾崎 泰助、木村 隆志、近藤 猛、原田 慈久、松田 巌、三輪 真嗣、森 初果、吉信 淳 |
2024.7.10 更新