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川畑研究室

研究テーマ

  • 物性理論(物性基礎論)
  • 非平衡系の相分類・相転移
  • 非平衡統計力学
  • 非エルミート物理

近年、孤立平衡系を中心とした従来の物性物理の枠組みを越えて、非平衡開放系で実現される物性物理に大きな関心が集まっている。そのようなめざましい進展にも拘らず、非平衡開放系で現れる物性現象は、重要な問題でさえも、依然として理解が確立していない。また、今後のさらなる発展が期待される量子技術分野において、非平衡開放系の理解はさらに重要性を増していくと考えられる。本研究室では、非平衡開放系で現れる多彩な物性現象をはじめとして、物性理論の新しい基礎を確立することを目指す。最近では、非平衡開放系のトポロジカル相の特徴づけおよび分類、また量子カオスや局在転移について研究し、とくに孤立平衡系に対応物をもたない非平衡開放系に特有の物性現象を探究してきた。対称性やトポロジーといった一般的な概念をもとにして、普遍的であるがゆえに種々の実験を記述および予言するような基礎理論を構築し、新しい物性物理を開拓する。

量子開放系の対称性とカオス。散逸下のSachdev-Ye-Kitaev模型の対称性にもとづく周期表と複素スペクトル。[PRX Quantum 4, 030328 (2023)]
エルミートなバルクと非エルミートな境界のトポロジカルな対応。トポロジカル絶縁体・超伝導体の表面状態に散逸を加えると、種々の高次トポロジカル現象が生まれる。[PRX Quantum 4, 030315 (2023)]

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