共通施設
物性研究所には研究活動を円滑に進めていくための共通施設が設けられている。低温実験に不可欠な液体ヘリウムや液体窒素を製造・供給する低温液化室、様々な機械工作を行う工作室、X 線装置や放射性試料の管理を行う放射線管理室、本や雑誌を多数取り揃え、科学文献や情報の供覧・管理を行う図書室などがある。2022 年から微細加工等を行う量子物質ナノ構造ラボ が開設され、さらに充実した。
量子物質ナノ構造ラボ
量子物質ナノ構造ラボでは、所内外で合成された新奇物質を微細加工してデバイス化し、所内の様々な先端計測と結びつけ、量子物性研究を推進することをミッションとしている。ラボスタッフは随時加工相談を受け付けてユーザーへのアドバイスや講習を行う。所内のユーザーは講習を受けることで自ら各装置を利用できる。所外のユーザーも共同利用で来所して自ら各装置を利用できる。
- 電子線リソグラフィー装置
- マスクレスフォトリソグラフィ装置
- 集束イオンビーム加工装置
- イオンエッチング装置
- 原子間力顕微鏡
- 走査型電子顕微鏡
- レーザー顕微鏡
- ワイヤーボンダー装置、電子線蒸着装置
- スパッタ蒸着装置
- 原子層堆積装置
- 希釈冷凍機
低温液化室
低温液化室は液体ヘリウムと液体窒素の供給、および低温技術に関するサービスや柏キャンパス全体の高圧ガスボンベの管理を行っている。液体ヘリウムは研究者や学生の物性研究のために供給される。蒸発したヘリウムガスを回収し、精製して再液化する。2022 年度の液体ヘリウムの生成量と供給量はそれぞれ約242,000 L、160,000 L である。液体窒素は外部より購入し、供給している。2022 年度の液体窒素の使用量は752,000 L となっている。
- ヘリウム液化装置Ⅰ(リンデ) 200 L/hr
- ヘリウム液化装置Ⅱ(リンデ) 233 L/hr
- 液体ヘリウム貯槽 10,000 L
- 液体窒素貯槽 20,000 L
- 回収用ヘリウムガス圧縮機 190 m3/hr
- 遠心式ヘリウム汲上ポンプ 20 L/min
工作室
放射線管理室
放射線管理室は、物性研究所における放射性物質(U等核燃料物質を含む)や放射線発生装置(X線装置を含む)の取扱において、放射線取扱者の放射線障害を防止し、安全を確保することを目的として設置されている。そのため、放射線取扱に関わる全所的な放射線管理業務として、放射性物質や放射線発生装置の新規使用、変更及び廃止に伴う法律手続き、監督官庁に提出する放射線管理報告書等の作成、放射線管理区域の線量測定、X線装置等の定期検査の実施及び放射線取扱者の被ばく線量や特別健康診断の記録、放射線取扱者の教育訓練等を行っている。また、当室には、U、Th などの非密封核燃料物質や22Na 密封線源を用いた研究などができる実験室や各種放射線(X線を含む)検出器を備えている。
- 化学実験室(非密封核燃料物質を解放で扱える物性研究所唯一の実験室)
- ポジトロン実験室(22Na 密封線源を用いた低速ポジトロンビームによる実験が行える)
- 熱蛍光線量計
- Ge 半導体検出器
- α線検出器
- 液体シンチレーションカウンター
- 各種サーベイメーター等
- 染検査室(ハンドフットクロスモニターによる汚染の確認)
図書室
物性研究所図書室は、所内研究者や大学院生のみならず全国の共同利用研究者の研究・教育活動に資するべく、物性科学を中心とした学術雑誌・図書などの資料を収集し利用に供している。
図書委員長:長谷川 幸雄
図書室
情報技術室
情報技術室では、物性研究所 LAN およびWWWサーバ(物性研ホームページ)他の各種サーバの管理運用を行い、大学院生を含めた全所内ユーザに提供している。
担当所員:川島 直輝
ネットワーク委員長:野口 博司
情報技術室
国際交流室
国際交流室では、物性研究所の国際交流・国際化推進に向けた支援を目的として、外国人客員所員制度等の国際連携制度や国際ワークショップの運営支援、英文での情報発信、外国人研究員の来日支援などを行っている。
国際交流室長:長谷川 幸雄
国際交流委員長:大谷 義近
国際交流室