ISSP - The institute for Solid State Physics

Organization
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リップマー研究室
教授
リップマー ミック
助教
高橋 竜太
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半導体酸化物の透明性やバンド構造は一般的に結晶中の点欠陥や不純物の元素に依存すると言われている。多くの酸化物のドーピングにおいて、不純物イオンが結晶内のどのサイトに置換するかはイオン半径や価数によって予測できるものの、ドーピングされた結晶構造を具体的に予測することは難しい。その点で蛍光X線ホログラフィーは有効的な分析手法であり、不純物イオン周辺の元素の構造を精密に計測することを可能にする方法である。このホログラフィーの手法では、図1のように、不純物イオンの元素の蛍光X線の角度依存性から、不純物イオン近傍にある元素の散乱強度を計測している。我々はRhをドープしたSrTiO3の光触媒の薄膜結晶にこの方法を適用し、Rh4+のドーパントが格子歪みのないTiサイトを置換する一方で、Rh3+のドーパントは酸素サイトで酸素空孔または置換基を有するクラスター構造を形成することを見出した(図2)。このようなクラスター構造はRh:SrTiO3光触媒におけるフォトキャリアの振る舞いや太陽光を用いた水分解反応に使用される光電極に重要な役割を担っていることを明らかにした。

図1.(a)Rh3+:SrTiO3と(b)Rh4+:SrTiO3薄膜におけるRh元素の蛍光X線強度の角度分布について。強度分布の違いはRhイオン周辺の元素の並び方が異なることを意味しており、(b)のパターンはペロブスカイト構造の完全単結晶の構造と一致している。
図2.低い酸素圧の条件で堆積したRh3+:SrTiO3薄膜における2種類の欠陥構造について。(上) 酸素空孔を持つRh酸化物のクラスター (下) アニオンサイトにおけるRhの置換構造。

研究テーマ

  1. パルスレーザー堆積法による酸化物薄膜そしてヘテロ構造の作製
  2. 水分解光電極反応の高効率化に向けた酸化物半導体材料の開発
  3. 極性材料とマルチフェロイック材料の開発
  4. 酸化物ナノ構造またはナノコンポジット薄膜の合成