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山室研究室

研究テーマ

  • ガラスと過冷却液体の構造とダイナミクス
  • 水および関連物質(気体水和物など)の構造とダイナミクス
  • イオン液体の熱力学的性質とダイナミクス
  • 多孔性物質中のゲスト分子・イオンの構造とダイナミクス

本研究室では複雑凝縮系の化学物理を研究している。現在の主な対象は、ガラス・過冷却液体、水およびその関連物質、イオン液体、多孔性物質である。ガラス転移は液体が構造変化を起こさずに固化する不思議な現象であり、物性物理学の長年の大問題の一つである。水は最も身近な物質の一つであるが、水素結合が織りなす様々な特異物性を示す。イオン液体では、静電力とファンデルワールス力の競合から、ナノドメイン構造や階層的ダイナミクスが現れる。MOF(Metal Organic Framework)のような多孔性物質内の空孔中の分子・イオンは、表面効果によりポテンシャル面が歪められるため、バルクでは見られない特異な構造やダイナミクスを示す。これらの物質に対して、中性子散乱、X線回折、熱容量、誘電緩和などを測定し、構造・ダイナミクス・熱力学の3視点から、複雑な物質に内在する単純(?)な法則を明らかにすることを目指している。

液体およびガラス状態のCS2の還元2体分布関数。これらのデータは、分子間相関が冷却とともに徐々に大きくなり、ガラス状態では急激に先鋭化することを明確に示している。逆モンテカルロ法による解析から、最も優先的な対相関はT字型であることが分かった。
MIL-53と呼ばれるMOF(Metal Organic Framework)内の水分子の中性子準弾性散乱データおよびローレンツ関数によるフィッティング結果。本物質は水分子がキャリアとなるプロトン伝導体である。

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