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辛研の橋本嵩広氏、Scienta Omicron社滞在報告

物性研究所辛研究室の橋本嵩広氏が物性研究所海外学生派遣プログラムを利用し、角度分解光電子分光(ARPES)に用いるための新しい光電子分光器と検出器の開発を目的に、2018年11月17日から2019年3月2日にかけてスウェーデンのScienta Omicronに滞在しました。

このプログラムは2017年度から始まったもので、海外での共同研究を通じて、豊かな経験を持った国際的な活躍が期待できる人材を育成することを目的として、大学院生を海外の研究機関に数ヶ月間派遣しています。


辛研究室D2 橋本 嵩広

活動内容

ARPESの分野では研究者と企業の協力による新しい手法や装置の開発が盛んであり、従来の角度分解にとどまらず時間、スピン、空間など新しい軸での測定が続々と実現、普及しつつある。そこで、ARPESに用いる新しい分光器・検出器の開発を行った。滞在中は主に開発にあたっての種々の検討を行った。詳細については企業との取り決めで書けないが、複数の測定原理の比較や、測定の誤差や装置のサイズなどの種々の物理パラメータの見積もりを行った。私は固体物理の専門家、またユーザーとして、電子レンズや検出器作成の専門家と議論した。最後に社内でプレゼンを行って成果を共有した。有望なプロジェクトであり、開発を続けていくことを確認した。

また、試料を回転無しで測定できるディフレクタ型光電子分光器について、電子銃を用いたテストを行い評価した。

テスト測定の様子
テスト測定の様子

滞在中に印象的だったのは社内のストレスの少なく、かつ集中した雰囲気である。社員間では立場によらずフレンドリーであり、決まった時間にほぼ全員が参加するコーヒータイム(フィーカ)があった。また、休憩の間の連続して働く時間は基本的に三時間以内と長すぎず、集中して取り組むことができた。そのため、作業の効率は非常に高いと感じた。

Scienta Omicron社の光電子検出器・分析器は研究で用いており、装置側の観点から非常に勉強になった点が多い。今後も交流・連絡を継続し、開発状況や、物性研での検出器のテストの可能性も含めて議論を続ける。

1月末、午前8時頃 宿泊先からの眺め
1月末、午前8時頃 宿泊先からの眺め

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(公開日: 2019年03月27日)