ISSP - The institute for Solid State Physics

Organization
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長谷川研究室
准教授
長谷川 幸雄
助教
吉田 靖雄
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走査トンネル顕微鏡(STM)は、その像を通じて表面の原子構造を明らかにするのみならず、トンネル分光測定によりサブナノ領域での電子状態に関する知見を与え、さらにはスピン偏極(SP-)STMによる局所磁気特性や表面スピン構造、非弾性トンネル分光(IETS)による種々の局所励起エネルギーに関する情報を引き出すことができる。 長谷川研究室では、極低温強磁場下で動作するSTM装置を用いて、渦糸のクラスタリングや巨大渦糸などナノサイズ超伝導体特有の渦糸状態の観察や、磁性体との近接効果により誘起される特異な超伝導状態の実空間観測を行っている。また、SP-STMによる磁性薄膜の局所スピン構造と磁気特性に関する研究、IETSによるスピン励起の研究等を進めるとともに、原子マニピュレーションを駆使した物性の制御を目指している。最近では、CeCoIn5などの重い電子系物質の電子状態や局所超伝導特性・磁気特性の研究にも取り組んでおり、超伝導ギャップ形状の原子スケールでの変調現象などを見出している。

超伝導金属界面での近接効果。Si基板上の1原子層Pb(水色、常伝導相)とPb薄膜(黄色、超伝導相)の界面近傍で測定されたトンネル分光スペクトルから、超伝導特性が界面から40nmの領域にわたって染み出していることが観察されている。
スピン偏極STMにより得られたAg表面上のナノサイズCoアイランド構造での“磁化曲線”。磁場により探針の磁化方向も反転するため(~±0.25T)、バタフライ状の曲線が得られている。

研究テーマ

  1. 低温STMによる局所領域での超伝導特性に関する研究
  2. 原子/分子マニピュレーションによる古典/量子スピン系の構築とスピン偏極STMによるその評価
  3. 重い電子系物質の局所電子状態・超伝導特性・磁気特性
  4. 走査ポテンショメトリによるナノスケールでの電位分布・スピン流計測