原田研究室

研究テーマ

  • 水溶性液体の電子状態とミクロ不均一性、固液界面の相互作用に関する研究
  • 電池触媒、電池電極の表面反応解析、電気化学反応、光触媒反応解析、金属タンパク質の機能解析のためのその場分析手法の開発
  • 強相関物質における素励起(結晶場励起、スピン励起、マグノン励起、電荷密度波励起、軌道波励起)の直接観測とその成因の研究
  • 軟X線発光分光の超高エネルギー分解能化と時間分解分光のための基礎光学研究

当研究室では、世界最高輝度の放射光X線源の一つであるSPring-8とNanoTerasuにおいて‘軟X線’と呼ばれる光を用いて新しい分光法を開拓し、物質の電気的、磁気的性質、光学応答を司る電子状態をその成因に遡って調べる研究を行っている。特に光散乱の一種である軟X線発光分光に着目し、強相関物質における素励起(結晶場励起、スピン励起、マグノン励起、電荷密度波励起、軌道波励起など)の直接観測とその成因の研究、水溶性液体、固液界面/気液界面の電子状態とミクロ不均一性の観測、燃料電池触媒・二次電池電極の表面反応解析、光触媒反応解析のためのその場(オペランド)分析装置の開発、金属タンパク質の電子状態解析など、軟X線発光分光を適用しうるあらゆる物質群を研究対象としている。また基礎光学研究として軟X線吸収・発光分光の超高性能化のためのR&D、および木村隆志研究室と共同して軟X線顕微分光イメージングの応用研究を行っている。

当研究室がSPring-8で独自に開発した50 meVの高エネルギー分解能を持つ角度分解軟X線発光分光装置。2024年4月よりNanoTerasuで稼働する。
極めて均一かつナノメートルサイズの穴を持つ機能性イオン液晶膜が、特定のイオンを選択的に透過するために「イオンを取り巻く水の水素結合構造を認識している」ことが軟X線発光分光で明らかとなった。

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