Home >  研究 > 機能物性研究グループ > 杉野研究室

杉野研究室

研究テーマ

  • 固液界面の第一原理シミュレーションと電池・燃料電池の科学
  • 物質中の水素原子・プロトン・ヒドリドの量子動力学
  • 電子格子相互作用の高精度計算
  • 銅酸化物超伝導体の第一原理計算

固体表面や固液界面で起こる動的現象には未解決の問題が多い。本研究室では、第一原理計算やモデル計算を駆使して改めてこの問題に挑戦している。特に重視しているのは金属・水界面の構造、界面付近での拡散や化学反応の解明であるが、その実現に必要な手法が近年かなり整備されてきた。具体的には、密度汎関数理論に基づく高精度なエネルギー計算や和周波スペクトル等の応答関数の計算、機械学習ポテンシャルを用いた網羅的な構造サンプリングや長時間シミュレーション、経路積分法を用いた水素原子核の量子効果の考慮、溶媒へのエネルギー散逸を考慮した電子移動非断熱ダイナミクス計算などが挙げられる。これらの最新の手法を用いて例えば、酸素や水素が関与する電極触媒反応が吸着水の影響を大きく受けながら起こる様子が、力場を仮定しない計算から明らかになっている。今後は、データサイエンスの方法を併用することにより、物質予測や設計などにつなげていくことが可能になっていくと考えられる。

Pt(111)/H2O吸着層の構造。√−3 × √−3 構造(a)よりも対称性の低い√−39×√−39構造(b)が現れる。

発表論文・研究成果等ニュース