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尾崎研究室

研究テーマ

  • 第一原理電子状態計算における効率的計算手法・アルゴリズムの開発
  • OpenMXの開発と公開
  • X線分光スペクトル計算手法の開発
  • 二次元物質の第一原理電子状態計算

超並列計算機の発展と物質科学の精密化に伴い、第一原理電子状態計算の重要性が増している。我々は密度汎関数理論に基づき、現実に近い系をより精密に取り扱うための新しい計算手法・ソフトウエアパッケージOpenMXの開発に取り組んでいる。密度汎関数理論の計算量は系に含まれる原子数の三乗に比例するが、電子の近視性に着目し、計算量が原子数に比例する新しいオーダーN法を開発した。本手法により、これまで取り扱いが困難であったリチウムイオン電池や鉄鋼材料の大規模シミュレーションが可能となり、実験との直接比較が可能となりつつある。さらにX線光電子分光法で観測される内殻電子の絶対束縛エネルギーの高精度計算手法を開発し、実験グループと共同してシリセン、ボロフェン、単原子分散したPt原子、Geの二重三角格子等の表面構造と電子状態の特定に成功している。また最密充填原理に基づく結晶構造の探索手法や最近接ワニエ関数の計算手法の開発も進めている。

オーダーNクリロフ部分空間法。(1) 各原子に対してクラスターを構成。(2)クラスターで定義される部分空間からクリロフ部分空間へ射影。(3) クリロフ部分空間内で固有値問題を解き、元の空間へ逆変換する。
(a)及び(b)第一原理計算により求められたZrB2上Ge層の二重三角格子構造。(c)角度分解光電子分光の結果と、(d)バンド構造の計算結果が良く一致することから、構造モデルの妥当性が認められる。

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