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眞弓研究室

助教 小田 達郎

研究テーマ

  • 高強度高分子材料の強靭化メカニズムの解明
  • 中性子・X線小角散乱法を用いた多成分系高分子・ソフトマター材料の構造解析
  • 中性子準弾性散乱法を用いた多成分系高分子・ソフトマター材料のダイナミクス解析

本研究室では、高分子をはじめとしたソフトマターの物性発現機構の解明を目指している。例えば、近年ナノ・分子レベルでの構造制御により高分子材料の機械強度は飛躍的に向上しつつあり、そのような高強度高分子材料は、人工関節や人工血管などの医療材料、ソフトロボット用のアクチュエーター、車・飛行機などに用いる構造材料としての応用が期待されている。我々は、高強度高分子材料に対して、中性子・X線小角散乱法および中性子準弾性散乱法によって変形下におけるナノ構造・ダイナミクスの計測を行っている。高分子材料は多成分で構成されていることが一般的であるが、中性子散乱法を用いると、重水素化ラベリングによって各構成要素を選択的に観察することが可能となる。散乱法によって明らかにされた階層構造・ダイナミクスとマクロな力学・破壊挙動との相関を解明するとともに、新規材料設計指針の探索を行っている。

伸長すると高分子鎖が結晶化し、鎖の破断を防ぐ自己補強ゲルを開発した。この伸長誘起結晶は、力を取り除くと消失し、自己補強ゲルは元の状態まで復元する。
通常の高分子ゲルの場合、亀裂を入れた試験片を引っ張ると、すぐに亀裂が進展して、破断してしまう。一方で、自己補強ゲルでは、亀裂の周辺において高分子鎖が引き延ばされて結晶化することで、亀裂の進展が抑制される。

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