ISSP - The institute for Solid State Physics

Organization
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徳永研究室
准教授
徳永 将史
助教
三宅 厚志
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磁場は電子のスピン、軌道および位相に直接作用する外場であり、物性物理学の幅広い研究分野で不可欠な外場である。我々は瞬間的にのみ発生可能な強磁場環境下において、磁化、磁気抵抗、電気分極、偏光顕微鏡観察など多岐にわたる精密測定手段を開発・改良し、それらを駆使して強磁場下で起こる様々な相転移の研究を行っている。 具体的な研究対象の一つとして、量子極限状態における電子物性に注目している。量子極限状態にある電子系は磁場による閉じ込め効果のため超強相関電子系とみなすことができる。我々は正負のキャリアが共存する半金属を中心に量子極限状態の物性測定を行い、グラファイトにおける磁場誘起量子相や多重極限環境下における半金属黒燐の異常量子伝導などを研究している。 また磁気秩序を持つ強誘電体であるマルチフェロイック物質に対して、磁場挿引速度の大きいパルス磁場下で実現できる高感度測定を生かした研究を行っている。カイラルな結晶構造を持つ三角格子反強磁性体であるCsCuCl3における新奇マルチフェロイック状態や、室温マルチフェロイック物質BiFeO3における双極性抵抗変化メモリー効果などを発見している。 このようなインハウスの研究に加えて年間40件程度の共同利用研究を行い、様々な遍歴・局在スピン系物質、トポロジカル物質などの強磁場物性研究を展開している。

多重極限環境下で測定した単結晶黒燐の磁気抵抗効果。挿入図は黒燐の結晶構造を模式的に示している。図中に示したように、磁場をa軸方向に印加してc軸方向の抵抗を測定した。14Tまでの磁場範囲で1000倍を超える巨大な正の磁気抵抗効果と、それに重畳した量子振動現象が観測されている。
(左) カイラルな結晶構造を持つCsCuCl3におけるCu配置の模式図。(右)パルス磁場下で測定したCsCuCl3の電気分極の磁場変化。磁場をb*方向に印加した状態でa方向の電気分極を測定している。

研究テーマ

  1. マルチフェロイック物質の磁場誘起相転移
  2. 量子極限状態における電子相転移
  3. パルス強磁場下における高速偏光顕微鏡観察
  4. トポロジカル物質の強磁場物性研究