ISSP - The institute for Solid State Physics

Organization
文字のサイズ: (小) / (中) / (大)
押川研究室
教授
押川 正毅
助教
多田 靖啓
研究室ホームページへ

量子多体系の理論を中心として研究を行っている。量子多体系と古典統計力学系および場の理論の密接な関係を踏まえ、広範な系について成立する普遍的な概念を探求するとともに、実験結果の統一的な理解や新たな実験に対する予言も目標とする。最近の成果の一つとして、カイラル超流動体の全軌道角運動量についての40年来のパラドックスに一定の理論的解決を与えた。また、場の理論における量子異常を応用して、離散的な対称性の存在下ではギャップレスな臨界相の間に新たな分類が生じることを示した。これは、量子相の分類に新たな展開をもたらすものである。このような理論研究における発展を実験研究と結びつけるべく、キタエフスピン液体相などの新奇なトポロジカル相を実現する物質設計についても研究を進めている。これらの研究の多くは、国際共同研究として推進している。

金属有機構造体(Metal-Organic Framework, MOF)を用いたキタエフスピン液体の設計。キタエフ模型は、基底状態としてスピン液体を実現する、非常に興味深い厳密に解ける量子スピン模型である。イリジウム酸化物等の無機化合物でのキタエフ模型の実現が議論されているが、これらの物質では直接交換に起因するハイゼンベルグ型相互作用の寄与が大きく、基底状態はスピン液体ではない。我々は、MOFを用いて直接交換相互作用を抑制し、より理想的なキタエフ模型の実現の可能性を提案した。

研究テーマ

  1. 量子スピン系および遍歴電子系における電子スピン共鳴
  2. 量子細線の接合における伝導と共形場理論
  3. トポロジカル相と量子エンタングルメント
  4. カイラル超流体の軌道角運動量
  5. トポロジカル相・トポロジカル現象の物質系での実現