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森研究室

助教 藤野 智子

研究テーマ

  • 分子の自由度を生かした新規有機(超)伝導体およびプロトン伝導体の開発と機能性研究
  • 固体中で電子がプロトン運動と協奏した有機伝導体、金属錯体、誘電体の開発と機能性研究
  • 分子性物質の外場(磁場、電場、温度、圧力)応答の研究
  • 有機電界効果トランジスタの研究

本研究室では、内部自由度をもつ分子が凝縮した分子性物質を対象とし、特異な機能性として電子・プロトン伝導性、磁性、誘電性、その圧力・電場による外場応答性、電界効果トランジスタ特性等の開拓を行っている。これら新分子性機能物質の開発は、塗布型有機伝導体や燃料電池の電解質など、有機エレクトロニクスを支える材料、デバイスの基盤研究となっている。 分子性物質の魅力は、1)設計・制御可能であること、2)電子間クーロン相互作用が大きく、電子の波動性と粒子性が競合すること、3)柔らかいため、特異な外場応答性を発現することなどが挙げられる。 森研究室では、新しいモット型κ-ET2Cu(NCS)2および電荷秩序型β-(meso-DMBEDT-TTF)2PF6有機超伝導体(左図)を発見し、物性研究を行った。さらに最近では、水素結合プロトンと伝導電子が動的に連動して、伝導性と磁性の切り替え現象を示す純有機伝導体(右図)を開発した。

新規有機超伝導体: (i)モット型κ-ET2Cu(NCS)2の単結晶と(ii)電荷秩序型 β-(meso-DMBEDT-TTF)2PF6の電気抵抗の圧力依存性。
伝導電子と水素結合プロトンが相関する純有機伝導体κ-ET2Cu(NCS)2 (X = H, D)において、大きな重水素効果により高温で伝導性および磁性が切り替わる。

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