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松田康弘研究室

助教 石井 裕人

研究テーマ

  • 強相関電子系の磁場誘起絶縁体金属転移
  • 強誘電体の磁場誘起相転移の探索
  • 超強磁場におけるファンデルワールス固体の励起子状態
  • 光化学反応における磁場効果の探索

超強磁場を用いて電子状態のみならず結晶構造へも大きな変化を及ぼす様な、非摂動的磁場効果の探索を行っている。1000 Tにおいて自由電子ではスピンや軌道を通じて100 meV程度のエネルギーを磁場で変化できると期待されるが、固体中では様々な相互作用が拮抗しており、そのエネルギースケールは実行的に増強され得る。例えば、VO2のような絶縁体ではエネルギーギャップが1 eVのオーダーであるが、200~300 T程度の磁場で絶縁体から金属に相転移する。一方、この相転移の理解の鍵になるのは、V原子の二量体に形成されるV-V間の分子軌道が磁場で不安定化する描像である。固体内分子が磁場で壊れる現象は、宇宙の巨大磁場(105 T程度)で生じるH2などの分子の崩壊と機構において類似性があるとも期待される。その他、多彩な対象において、超強磁場中の非摂動的磁場効果による新規現象の探索を行っている。

fig1
VO2の磁場誘起絶縁体金属転移
fig2
ビスマス系Mn酸化物の磁場温度相図

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