ISSP - The institute for Solid State Physics

Organization
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松田康弘研究室
准教授
松田 康弘
助教
池田 暁彦
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100 Tを超える強磁場下で現れる物質の性質について研究を行っている。磁場は電子のスピンや軌道運動に直接作用し、強力な磁場により物質の基底状態は大きく変化する。低次元スピン系における非自明な磁気構造、遷移金属化合物での新奇な局在−遍歴転移、分子性固体における強いスピン−格子結合などを通じ、強磁場中では様々な新規相が期待される。最近、約120 Tで発見された固体酸素のθ相は、低温での反強磁性α相から磁場誘起構造相転移により現れ、磁場誘起新規相の典型例の一つである。 1000 T領域においては、相互作用の強い物質について未知の強磁場基底状態を探索することが可能であり、そのような研究を推進するための超強磁場発生技術および超強磁場中の様々な測定手法の開発も行っている。

磁化測定から決定されたLaCoO3の温度−磁場相図。低スピン相(A1)または高温磁性相(A2)から、磁場誘起磁性相(B1、B2)へと強磁場により相転移が起こる。強磁場相においてスピン状態秩序の実現が示唆されている。
(a)近藤半導体YbB12の磁化過程と (b)磁化の磁場微分(dM/dB)の磁場依存性。55 Tと102 Tに磁化の急な増加が観測されており、低い方の転移磁場で半導体−金属転移が起こり、2つの転移磁場の間では重い電子状態が実現していると予想されている。

研究テーマ

  1. 重い電子及び価数揺動電子系の超強磁場下での電子状態
  2. 量子スピン系の超強磁場磁化過程
  3. 磁気複屈折効果を用いた超強磁場における磁場誘起相転移の研究
  4. 固体酸素の磁場誘起構造相転移
  5. 分子性導体の磁場誘起絶縁体−金属転移