加藤研の石川卓門氏、コンスタンツ大学滞在報告
物性研究所加藤研究室の石川卓門氏が物性研究所海外学生派遣プログラムを利用して、ドイツのコンスタンツ大学に2023年11月1日から2024年1月31日まで滞在し、量子状態を制御するスピン輸送理論の研究を行いました。
このプログラムは2017年度から始まったもので、海外での共同研究を通じて、豊かな経験を持った国際的な活躍が期待できる人材を育成することを目的として、大学院生を海外の研究機関に数ヶ月間派遣しています。
加藤研究室D2 石川 卓門
概要
ネマティック磁性体におけるスピン輸送理論を構築する為にUniversity of Konstanzに滞在し、Wolfgang Belzig教授の下で3ヶ月間研究を行いました。
活動内容
多くの磁性体ではスピンは一方向を向いて揃いますが、スピンネマティック状態と呼ばれる向きは分からないがスピンが存在する平面は揃っている新しい秩序状態が着目されており、基礎物性の解明や応用が期待されています。スピンネマティック状態の磁気励起特性を解明する為に、ネマティック磁性体におけるスピン輸送を研究しました。
ネマティック磁性体におけるスピン輸送を議論する為には、スピン流を注入する為の他の物質との接合系を考えた上でネマティック磁性体の磁気励起を取り扱う必要があります。メゾスコピック系などに代表される接合系の輸送理論やマグノンに代表される磁気励起の理論の両方に精通しているBelzig教授との議論によって具体的な計算の指針だけでなく、物理的な示唆に富んだ研究を行うことが出来ました。
滞在時期が冬だった為、クリスマスマーケットをはじめとし年末年始の様々なイベントに参加することができ、ドイツの文化や人に多く触れることが出来ました。
さらに研究室には様々な国から来ている人が多くいろいろな国の友達ができ、それぞれの国の文化や価値観を知ることが出来ました。
3ヶ月間の滞在はあっという間で生活、研究共に濃密な時間を過ごすことが出来ました。ネマティック磁性体におけるスピン輸送理論特性を解明する為にBelzig教授と議論を重ねながら研究を進めていく予定です。
関連ページ
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