創志学園高等学校の生徒が物性研を見学、実習体験
6月17日、SSH(スーパーサイエンスハイスクール)校である創志学園高等学校1年生の生徒約30名が、本研究所を見学しました。最先端の物性科学研究に直接触れることを目的に、実験施設の見学、講義、実習体験を組み合わせたプログラムを実施しました。
施設見学では、二つのグループに分かれて、国際超強磁場科学研究施設と極限コヒーレント光科学研究センター(LASOR)を順に訪問しました。強磁場施設では、徳永将史教授の案内のもと、物の性質を調べる手法の一つとして磁場、特に強い磁場を発生させる時には消費電力も増大になることから、一瞬だけ発生させてその間に全てのデータを取得するパルス磁場実験についての説明がありました。続くLASORの見学では、板谷治郎教授より、超短パルスレーザーを用いた先端研究、松永隆佑准教授より可視光と電波の中間くらいの波長であるテラヘルツ波の実験について紹介がありました。波長を変えるための手法から調べて自ら装置を作り、その光を使って実験するということを知り、驚いた様子でした。生徒からは「なんでオレンジ色のビニールで仕切っているんですか?」「磁場の強さはどうやって測っているのですか?」などの質問がありました。
見学の後、二つのグループは合流し、山下穣准教授による講義「物理のすごさと物性科学」が行われました。講義では、地動説・天動説を例に、どのように発展してきたか、科学的考察のプロセスの説明に始まり、電磁気学や電磁波の話へと展開しました。そして、物の性質は何で決まるのか、たった3つの材料(陽子・中性子・電子)だけでなぜ多様な全く異なる性質を持つ材料ができるのかと続きました。講義の最後には、同じ物質でも温度によって性質が変わるものの例として超伝導のデモ実験を行いました。デモ実験では、リニアモーターカーのレールを模した磁石の上で、液体窒素で冷やした高温超伝導体が浮かび上がる様子が披露されました。学生からは「本当に浮くんだ!」などと驚きの声があがっていました。
この後、再び生徒たちは二つのグループに分かれて、新領域での講義の受講と物性研での実習体験を行いました。物性研究所での実習では、国際物理オリンピック2023の実験課題で用いられたキブル天秤を自作し、質量測定の原理を体験しました。この装置は、2023年の東京大学入試(物理)でも題材として出題されたことで知られており、生徒たちは学校での学びと実際の計測技術とのつながりを実感していました。
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