一般講演会「元素のハナシ」を開催
11月10日、柏の葉キャンパス駅前サテライトにて、一般講演会「元素のハナシ」を開催しました。この講演会は、物性に関する研究成果を広く社会に還元・普及することを目的に年に一度開催しているものです。今年は、メンデレーエフによる周期律発見150年を記念して、元素をテーマにした講演を行いました。
桜井弘 名誉教授(京都薬科大学)は、「いのちの元素」として体内にある元素とその働きについて、講演されました。「尿から発見された元素は何でしょう?」などクイズを交え、生体内の元素濃度や、元素がどのように取り込まれ、機能するのかを紹介。そして、ロシアのメンデレーエフがどのように周期律を発見したのか、周期律によってそれまで未知だった元素の予言と発見のエピソードも紹介されました。
続く、廣井善二 教授(東京大学物性研究所)の講演では、世界のいろんな周期表の紹介から始まりました。そして、現在使われている周期表の並び方が、電子軌道によるものあることを、実はとっても難しい量子力学を用いながら解説しました。電気伝導や磁性などの物質の性質には、電子が重要で、物質合成の研究者は、周期表を電子軌道という視点で見ていることなどを話されました。
質疑では「アルミニウムはなぜ体内で活用されないのか?」「エネルギー準位だけでは、周期表の並びにはならないのでは?」といった鋭い質問があり、元素好きな方が多く参加されていたことを伺わせます。元素ファンの小さなお子様から、シニアの方まで、多くの方にご来場いただき盛会となりました。
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(公開日: 2019年11月11日)