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黒田健太助教(近藤研)が第23回日本放射光学会奨励賞を受賞

1月9日-11日に開催された第32回日本放射光学会年会・放射光科学合同シンポジウムにて、近藤研究室の黒田健太助教が第23回日本放射光学会奨励賞を受賞しました。この賞は、放射光科学分野において優れた研究成果をあげた若手研究者の功績を称え、且つ、今後の更なる活躍を奨励するために日本放射光学会より授与されるものです。授与式は、第32回日本放射光学会年会・放射光科学合同シンポジウムにて開催された本学会総会 (1月9日、福岡国際会議場) にて執り行われました。

授賞式の様子

授賞式の様子。小杉信博 日本放射光学会長と受賞者。右から2番目が黒田健太氏。

受賞題目は、「真空紫外および軟X線領域の放射光角度分解光電子分光を用いた新しいトポロジカル物質相の研究」です。同氏は、国内外の放射光施設を利用して、角度分解光電子分光(ARPES)の手法を用いたトポロジカル物質の電子状態の研究を行っています。真空紫外から軟X線領域までの広い波長領域を使い分けることで、表面敏感・バルク敏感ARPESによる新しいトポロジカル物質相を発見しました。これまでは、表面敏感ARPESを用いて特異な表面状態を観測することで、物質内部のトポロジーを決定する手法が一般的に用いられてきました。その中で、同氏は軟X線を利用したバルク電子状態の観測によって直接的にトポロジーを特定する画期的な手法を開発しました。これらの成果は、放射光によるトポロジカル物質科学研究の新しい基点として価値あるものであり放射光学会奨励賞に相応しいものと認められました。

関連論文:

  • [1] “Experimental Determination of the Topological Phase Diagram in Cerium Monopnictides”, Kenta Kuroda et al., Physical Review Letters 120, 086402 (2018).
  • [2] “Evidence for magnetic Weyl fermions in a correlated metal”, K. Kuroda, T. Tomita [equal contribution] et al., Nature Materials 16, 1090 (2017).

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(公開日: 2019年02月27日)