岡隆史教授が井上学術賞を受賞
岡隆史教授が第42回(2025年度)の井上学術賞を受賞しました。この賞は、自然科学の基礎的研究で特に顕著な業績を挙げた50歳未満の研究者に対し井上科学振興財団から授与されるものです。贈呈式は2026年2月に都内にて行われる予定です。
受賞対象となった研究は「量子物質の非平衡相制御の理論」です。
岡氏は、独立して発展していた「非平衡」「人工量子系」「トポロジカル物性」の各分野を、周期的な外場の下で現れる量子状態「フロッケ状態」を軸に融合させ、物性物理学に新たな潮流を生み出しました。特に、円偏光レーザー照射によるグラフェンのトポロジカル絶縁体化を理論的に予言し、その後の実験的実証によって「動的な量子相制御」の可能性を確立しました。さらに、「フロッケ・ワイル半金属」の提唱や、強電場中の強相関電子系の相転移現象の解明やスピントロニクスへの応用などを通じて、非平衡量子物質の理論を体系化しました。
このように、「フロッケ・エンジニアリング」という新領域を開拓・牽引し続けていることが評価され、受賞に至りました。
関連論文
- Photovoltaic Hall effect in graphene, Phys. Rev. B 79, 081406(R)
- Floquet Engineering of Quantum Materials, Annu.Rev.Condens.Matter Phys.10 387 (2019).
関連ページ
- 井上科学振興財団
- 東京大学物性研究所 岡研究室
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(公開日: 2026年01月05日)
