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岡隆史教授が第18回(令和3年度)日本学士院学術奨励賞を受賞

岡隆史教授が第18回(令和3年度)日本学士院学術奨励賞を受賞しました。この賞は、若手研究者を顕彰して今後の研究を奨励することを目的に、独立行政法人日本学術振興会の日本学術振興会賞受賞者の中から選ばれます。

受賞対象となった研究は「フロッケ・エンジニアリングと状態制御」です。

単一の炭素原子層からなるグラフェンや銅酸化物系高温超伝導体などは、電荷やスピン自由度が互いに相関して特異な量子効果を示すため、量子物質と呼ばれています。岡氏は、グラフェンに円偏向レーザー光を照射すると、電子は周期的に変動する光電場の衣をまとい、新たな量子状態(Floquet Topological状態)を作ることを理論的に発見しました。その結果、電場と垂直方向へ電流が流れる量子ホール効果が生じるため、試料中央部は絶縁的でありながら、端部では一方向に電流が流れるトポロジカル物質の一種となることを示しました。この光照射による量子物質の動的制御の理論は、その後に実証され、さらに超高速エレクトロニクス分野への応用可能性も見え始めています。また、岡氏の理論はモット絶縁体などの量子物質の動的制御にも展開されるとともに、原子核理論や高エネルギー物理学分野にも影響を及ぼしています。

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(公開日: 2022年06月09日)