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今城周作特任助教(金道研)がエヌエフ基金研究開発奨励賞を受賞

金道研究室の今城周作特任助教は、一般財団法人エヌエフ基金から贈られる第12回(2023年)研究開発奨励賞を受賞しました。同賞は革新性と独創性が高く、かつ科学や技術の進歩、産業発展に貢献する研究開発活動を顕彰し、研究開発のさらなる発展を担う満35才以下の者に授与される賞です。第12回の募集分野は「先端計測」「環境・エネルギー」「新価値創成」の3分野でした。

受賞対象となった研究は「パルス強磁場中の精密物性測定技術の開発」です。

物質科学において磁場は温度・圧力・電場等と並んで重要な外場の一つです。強磁場を用いた研究は様々な新発見や応用の糸口となりますが、エネルギー・材料的な問題から強磁場の定常的発生は困難でした。パルス磁場と呼ばれる瞬間的にコイルに大電流を流して強磁場を発生させる手法を用いれば、他の磁石に比べて桁違いの強い磁場に到達できる一方で、パルス強磁場中の物性研究には短い磁場発生時間や大きな電磁気ノイズ等の短所があるため、測定可能な物理量に多くの制限、また精密測定が難しいという問題が存在しました。

受賞対象となった研究開発では、パルス磁場中で可能な新規測定技術の開発や測定精度向上を試みました。特に、物質の最も重要な性質である熱力学量の計測技術の開発を中心に行い、これにより物質科学における様々な新展開を与えることに成功しました。また、これら技術は共同研究に貢献し始めており、今後の物質科学へも大きく貢献すると考えられています。このような研究開発の実績が評価され受賞に至りました。

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