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押川正毅教授が仁科記念賞を受賞

Oshikawa

押川正毅教授が2025年度(第71回)仁科記念賞を受賞することが決まりました。この賞は、「日本の現代物理学の父」とされる仁科芳雄博士を記念して1955年に創設された学術賞で、今日では物理学の広い分野で世界的に評価される成果を挙げた研究者に授与される、日本の物理学界でもっとも権威ある賞の一つです。毎年3件以内と定められており、押川正毅教授が学習院⼤学の⽥﨑晴明教授とともに「量⼦スピン系の数理的研究」に対して受賞することが決定しました。授賞式は12月5日に行われる予定です。

押川教授は、ハルデン(Haldane)により予想された整数スピン鎖のギャップ相が、奇数スピンの場合には対称性によって保護されたトポロジカル相(SPT相)であることを確立しました。また、これと密接に関連するリープ・シュルツ・マティス(LSM)定理を、一般次元において実現可能な量子相への粒子密度の非整合性による制約という極めて広い形に拡張しました。これは、トポロジカル秩序相などの非自明な量子相を探索するための一つの普遍的な指導原理となっています。

押川⽒と⽥﨑⽒の一連の成果は、ハルデン予想の理解を⾶躍的に深めるとともに、トポロジカル相研究という今⽇の潮流を切り開く契機を創出しました。これら量⼦スピン系を中⼼とする多体系に対する数理的に厳密な解析により、その本質的理解に深く貢献したことが高く評価されました。

関連論文

  1. I. Affleck, T. Kennedy, E. H. Lieb, and H. Tasaki, “Rigorous results on valence-bond ground states in antiferromagnets”, Phys. Rev. Lett. 59, 799 (1987); “Valence bond ground states in isotropic quantum antiferromagnets”, Commun. Math. Phys. 115, 477 (1988).
  2. T. Kennedy and H. Tasaki, “Hidden Z2×Z2 symmetry breaking in Haldane-gap antiferromagnets”, Phys. Rev. B 45, 304 (1992).
  3. M. Oshikawa, “Hidden Z2×Z2 symmetry in quantum spin chains with arbitrary integer spin”, J. Phys.: Condens. Matter 4, 7469 (1992).
  4. F. Pollmann, A. M. Turner, E. Berg, and M. Oshikawa, “Entanglement spectrum of a topological phase in one dimension”, Phys. Rev. B 81, 064439 (2010); F. Pollmann, E. Berg, A. M. Turner, and M. Oshikawa, “Symmetry protection of topological phases in onedimensional quantum spin systems”, Phys. Rev. B 85, 075125 (2012).
  5. M. Oshikawa, “Commensurability, excitation gap, and topology in quantum many-particle systems on a periodic lattice”, Phys. Rev. Lett. 84, 1535 (2000).

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(公開日: 2025年11月06日)