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三浦 登 名誉教授が瑞宝中綬章を受章

物性研究所元所員(在籍1972年〜2003年)である三浦登東京大学名誉教授が、令和4年度の瑞宝中綬章を受章しました。

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三浦名誉教授は約31年に亘り、物性研究所において大学院学生の教育及び強磁場を用いた様々な物質の物性研究に努め、人類の未踏領域であった100テスラを超える超強磁場領域での物性物理学を開拓しました。超強磁場の発生手法の一つとして同氏が開発した電磁濃縮法は、それまで爆薬を用いて行われていた磁束濃縮を、電磁力を用いて安全かつ制御性良く行えるよう改良したものであり、物性研究に使用可能な安定性の高い磁場発生方法として実用的な手法です。平成12年の物性研究所柏移転に伴って改良された装置を用いて、平成13年には実験室内で発生できる磁場の世界記録を622テスラに更新しました。この手法はその後、物性研究所における1000テスラ・プロジェクトの成功につながっています。同氏が確立したもう一つの超強磁場発生法である一巻きコイル法の装置はより簡便に超強磁場を発生することが可能であり、200テスラ以下の超強磁場領域における研究成果の輩出に数多く役立てられてきました。560編以上の原著論文にまとめられた成果は、前人未踏の超強磁場領域にまで物性研究を拡げたものであり、極めて独創的かつ先導的な研究として国際的に高く評価されています。

同氏はこれらの装置を用いた国内および国際共同研究を展開するとともに多くの大学院生を指導しました。また平成14年には国内の強磁場研究者の団体である「強磁場フォーラム」を設立し、その顧問を務められました。これらの教育研究分野における長年の功績が評価され、今回の瑞宝中綬章の受章に至りました。

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(公開日: 2022年05月09日)