一般講演会「世界一 うす〜い 未来の話」をオンライン開催しました
2月20日、オンラインにて、一般講演会「世界一 うす〜い 未来の話」を開催しました。この講演会は、物性に関する研究成果を広く社会に還元・普及することを目的に年に一度開催しているものです。今年は、「世界一 うす〜い 未来の話」をテーマに、松田巌 教授と物質・材料研究機構の永村直佳 主任研究員が講演を行いました。
最初に松田教授から、社会が抱える問題を科学の力で解決してきたという歴史と、SDGsに代表される今の社会が抱える問題、その切り札として原子1層で作られるグラフェン(炭素原子で作られた2次元物質)などの材料が注目されていることが紹介されました。そして永村 主任研究員から、その物質の作り方、観測手法の解説、研究者しか普段は見ることのできない原子1層をとらえた貴重な数々の画像を、両者のエピソード付きで紹介されました。最先端の装置を用いた測定・分析と、試料準備ではセロテープや歯ブラシなど身近な道具で研究が進められているというギャップには参加者からも驚きの声が上がってました。最後に、分析から分かったグラフェンやボロフェン(ホウ素原子で作られた2次元物質)の持つ特性、物性発現を担うディラック電子などの解説がありました。
チャットで受け付けた質問には、「電流で測るということは、STMでは絶縁体は測れないのですか?」「歯ブラシで狙った電極に(グラフェンを)落とせるのでしょうか?」や、「原子シートの凄さがよくわかりました」といった感想など、たくさんの反響をいただきました。答えきれなかったご質問の回答は、後日、一般講演会サイトに掲載予定です。
元・師弟関係である両者の絶妙な掛け合いを活かした今回の企画は、柏キャンパス内のスタジオから、撮影、合成して生配信しました。
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