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トポロジカル秩序の理論的性質の理解とフィボナッチ・エニオンの実現

日程 : 2025年3月10日(月) 10:30 am - 2025年3月11日(火) 5:00 pm 場所 : 物性研究所本館6階 第5セミナー室 (A615) 講師 : 戎 弘実 所属 : 京都大学基礎物理学研究所 世話人 : 橋坂 昌幸 (63305)
e-mail: hashisaka@issp.u-tokyo.ac.jp
講演言語 : 日本語

通例、物理学において相という概念は非常に重要であり、これまで系の局所的な秩序変数を調べることで分類されてきました。しかし分数量子ホール系、スピン液体など、今までの相分類の枠組みでは収まらないトポロジカル秩序と呼ばれる新しい相が提唱され、現代の物理学において重要なテーマの1つとなっています。この相は局所的でなく、系の大域的な情報(系のトポロジー)によって分類されます。この相の重要な性質の1つとして、分数電荷の励起・エニオンを持つことが挙げられます。
本セミナーは6回に分けて実施し、トポロジカル秩序に関する重要な性質・概念—具体的には相の有効理論(Chern-Simons理論)、エッジ状態を記述する共形場理論、パラフェルミオンの励起、量子もつれと分数統計性との関連、エニオン凝縮など—について理解することを目指します。これらの知見を基に、R. Mongらによるν = 2/3の分数量子ホール系やスピン液体からフィボナッチ・エニオン(トポロジカル量子コンピュータに有用とされるエニオンの1つ)を創成する画期的な提案[1]について議論します。

[1] R. Mong, D. Clarke, J. Alicea, N. Lindner, P. Fendley, C. Nayak, Y. Oreg, A. Stern, E. Berg, K. Shtengel, and M. Fisher, “Universal Topological Quantum Computation from a Superconductor-Abelian Quantum Hall Heterostructure” Phys. Rev. X 4, 011036 (2014).

3/10(月) 第1回 10:30-12:00,第2回 13:30-15:00,第3回 15:30-17:00
3/11(火) 第4回 10:30-12:00,第5回 13:30-15:00,第6回 15:30-17:00


(公開日: 2024年11月28日)