Home >  研究会等 > ワイル反強磁性体Mn3Snにおけるテラヘルツ異常ホール効果の超高速非平衡ダイナミクス

ワイル反強磁性体Mn3Snにおけるテラヘルツ異常ホール効果の超高速非平衡ダイナミクス

日程 : 2022年10月20日(木) 12:15 - 13:15 場所 : オンライン(Zoom) 講師 : 松田拓也 所属 : 極限コヒーレント光科学研究センター 松永研 学振PD 主催 : 量子物質研究グループ 世話人 : 松永隆佑 (63375)
e-mail: matsunaga@issp.u-tokyo.ac.jp
講演言語 : 日本語

ワイル反強磁性体Mn3Snは、反強磁性スピンをテラヘルツ帯で駆動できるその高速性に加えて、強磁性体並みの巨大異常ホール効果を室温で示す[1]ことから、高速スピントロニクス素子開発の候補物質として大きな注目を集めている。本講演では、我々が進めてきたMn3Snにおける異常ホール効果のテラヘルツ高速ダイナミクスに関する研究を紹介する。
我々はテラヘルツ波を高精度に偏光分解して計測する装置を開発して、テラヘルツ帯で巨大異常ホール効果を観測することに成功し、反強磁性磁気秩序をサブピコ秒の時間に電流ベースで読み出せることを明らかにした[2]。次に、光励起して磁気構造が高速変化する非平衡下の異常ホール効果の振る舞いを理解するため、ポンププローブ分光測定を行った。その結果、サブピコ秒の超高速領域の異常ホール効果は、磁気モーメントではなく電子分布の変化で決まることを明らかにした[3]。さらに高密度励起することで極端な非平衡状態を作ると、有効質量が10倍以上軽いキャリアが出現し、異常ホール効果よりも正常ホール効果の方が支配的になることを発見した。これは高密度励起されたキャリアにより多体相関が遮蔽されてバンド構造が大きく変化した可能性を示唆している[4]。

[1] S. Nakatsuji, N. Kiyohara, & T. Higo, Nature 527, 212 (2015).
[2] T. Matsuda et al., Nature Commun. 11, 909 (2020).
[3] T. Matsuda et al., arXiv:2206.06627
[4] 松田ら、日本物理学会2022年秋季大会15aW242

参加をご希望の方は、下記googleフォームよりご登録ください。
https://forms.gle/syktkT95Zk1U54RZA


(公開日: 2022年09月26日)