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超強磁場下の有機分子性固体におけるトポロジカル物性と電子相関効果

日程 : 2022年6月29日(水) 11:00 - 12:00 場所 : オンライン(Zoom) 講師 : 野本哲也 特任研究員 所属 : 物性研究所 小濱研究室 主催 : 強磁場コラボラトリー 世話人 : 小濱 芳允
e-mail: ykohama@issp.u-tokyo.ac.jp
講演言語 : 日本語

有機分子と対イオンから構成される有機伝導体は、非従来型超伝導やMott絶縁体、電荷ガラス、量子スピン液体などの多彩な物性が観測される物理学的に興味深い物質である。中でもα型と呼ばれる有機伝導体はDirac型の線形分散バンドを有するトポロジカル物質の候補として知られ、”質量の無い”電子に由来する特異な電子物性に注目が集まっている[1]。私たちはこのα型有機伝導体の一つ、α-(BEDT-TSF) 2 I 3 をターゲットとした超強磁場中の物理現象について研究を行っている。本物質は強い電子相関により電荷秩序絶縁体へと金属-絶縁体転移を起こす(T MI = 50 K)と考えられてきた物質であるが、近年行われた分光測定や理論的検証により [2]、電子相関に駆動される特殊なトポロジカル絶縁体状態(トポロジカルMott絶縁体)が実現している可能性が指摘されている [3, 4]。最近、パルス強磁場を用いた輸送測定により、α-(BEDT-TSF) 2 I 3 のトポロジカル状態に由来すると考えられる巨大磁気抵抗効果などの異常な輸送特性の観測に成功した。本セミナーではこの物質が強磁場中で示す特異な物性を中心に紹介し、有機分子性固体におけるトポロジカル物性の可能性について議論したい。

[1] N. Tajima, S. Sugawara, M. Tamura, Y. Nishio, K. Kajita, Journal of the Physical Society of Japan 75(5), 05101 (2006).
[2] S. Kitou et al., Physical Review B 103, 035135 (2021).
[3] S. Raghu, X. L. Qi, C. Honerkamp, S. C. Zhang, Physical Review Letter 100, 156401 (2008).
[4] D. Ohki, K. Yoshimi, A. Kobayashi, Physical Review B 105, 205123 (2022).

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https://forms.gle/kXw5YbvnuXWgAUny6


(公開日: 2022年06月08日)