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横山 優一氏(元和達研卒業生)が日本放射光学会奨励賞を受賞

和達研究室卒業生の横山 優一氏(現:高輝度光科学研究センター博士研究員)が、第24回日本放射光学会奨励賞を受賞しました。この賞は、放射光科学分野において優れた研究成果をあげた若手研究者の功績を称え、今後の更なる活躍を奨励することを目的に、35歳未満の者に授与されるものです。1月10日にウインクあいちで行われた第33回日本放射光学会年会・放射光科学合同シンポジウムにて授与されました。

授賞式

放射光学会長の朝倉清高教授(左、北海道大学 触媒科学研究所)と横山優一氏(右)

受賞対象となった研究は、「共鳴非弾性軟X線散乱による電子状態解明およびコヒーレント軟X線散乱による時空間分解計測の開発」です。

横山氏は、LaCoO3 の共鳴非弾性軟X線散乱を測定して、引張応力下にある薄膜の3d電子間の遷移を観測し、応力ひずみによる高低スピン状態の違いの検出に成功しました。また、SPring-8 のBL07LSUにおいて時間分解軟X線吸収分光装置を開発し、レーザー光照射によるユウロピウム(Eu) M5 端の吸収強度の時間分解変化から4f電子系の光誘起過渡現象を直接観測することに成功しました。さらに、コヒーレント軟X線散乱による時空間分解計測を実現するために、情報科学の手法を取り入れ、コヒーレント回折イメージング用のスパース位相回復の新しいアルゴリズムを開発し、従来の手法では解析不可能なノイズ及び情報欠損を多く含むデータからでも情報が抽出できるという画期的な手法の開発にも成功しています。これらの研究はいずれも独創的かつ世界最先端の成果で、学術研究として高く評価されました。

論文情報

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(公開日: 2020年01月22日)