久保田雄也(元 松田巌研学生)氏がSPRUC 2019 Young Scientist Awardを受賞
元 松田巌研究室学生の久保田雄也氏(現在は高輝度光科学研究センター博士研究員)がSPring-8ユーザー協同体の授与するSPRUC 2019 Young Scientist Awardを受賞しました。8月30日に、岡山大学にで行われたSPring-8シンポジウム2019にて受賞式が行われました。この賞は、SPring-8/SACLAの利用法や解析手法の開発に顕著な成果を創出した若手研究者、あるいは測定手法や解析手法は確立された方法であったとしても、SPring-8/SACLAの特徴を活用し測定対象の分野にとって顕著な成果を創出した若手研究者に与えられるものです。
受賞対象となった研究は「偏光変調型軟X線共鳴磁気光学効果による埋込層の磁性研究」です。久保田氏はSPring-8 BL07LSUにおいて世界で唯一の分割型クロスアンジュレータを用いた高速偏光スイッチング特性を活かして、新しい軟X線磁気光学実験法として共鳴磁気光学効果の偏光変調法を開発しました。さらに特筆すべきは、測定原理の理論構築をするとともに、楕円率(磁気円二色性)と旋光角(磁気光学カー回転角)の同時測定に成功し、世界で初めて軟X線領域での複素誘電率テンソルの直接決定を実現したことです。これらはSPring-8の特徴を十分に活かした成果として高く評価されました。
本手法によって、物質の精密な磁性研究が大きく発展する可能性が広がるだけでなく、物質の光学設計の基礎となる複素誘電率の決定法の確立は次世代XFEL/放射光技術のための光学素子開発に重要な役割を果たすものと期待されます。
関連論文
- Y. Kubota et al., Journal of Electron Spectroscopy and Related Phenomena 220, 17 (2017)
- Y. Kubota et al., Physical Review B 96, 134432 (2017)
- Y. Kubota et al., Physical Review B 96, 214417 (2017)
関連ページ
- 「SPRUC 2019 Young Scientist Award」の受賞者の決定について
- 松田巌研究室|東京大学物性研究所
- 附属極限コヒーレント光科学研究センター 軌道放射物性研究施設|東京大学物性研究所