左右田稔氏(益田研究室助教)が日本中性子科学会奨励賞を受賞
第16回日本中性子科学会年会が2016年12月1日~2日に名古屋大学で開催され、左右田稔氏(益田研究室助教)が日本中性子科学会・奨励賞を受賞しました。本賞は本会の正会員であって、中性子科学に関して優秀な研究を発表し、その年齢が当該年の4月1日において40歳に達しない若手研究者に対して授与されます。
左右田氏の受賞テーマは「中性子散乱による磁性と誘電性の新奇関係の研究」です。左右田氏は、従来のサイクロイダル磁気構造起源のマルチフェロイックスとは異なる新たな磁性と誘電性の関係に注目し、多方面より新規物性領域を開拓しました。その結果、スピン・ネマティック相互作用の観測、リラクサー磁性体における新奇超常磁性といった様々な研究成果を得ることに成功しました。主として用いた中性子散乱実験では、通常の弾性・非弾性中性子散乱実験だけではなく、偏極中性子回折実験、電場中中性子回折実験、散漫散乱測定と幅広い手法を用いて新規物性開拓、起源解明しており、中性子科学の発展に大いに貢献した研究でもあります。このような左右田氏の研究は国内外で非常に高く評価されており、今回の受賞に至りました。
対象論文:
[1]”Spin-Nematic Interaction in the Multiferroic Compound Ba2CoGe2O7“, M. Soda, M. Matsumoto, M. Mansson, S. Ohira-Kawamura, K. Nakajima, R. Shiina, and T. Masuda, Phys. Rev. Lett. 112 (2014) 127205.
