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愛敬公太氏(松永研D1)がMORIS 2026のBest Oral Presentation Awardを受賞

松永研究室の愛敬公太氏(博士課程1年)が、Magnetics and Optics Research International Symposium (MORIS) 2026においてBest Oral Presentation Awardを受賞しました。この賞は、シンポジウムにおいて行われた口頭発表のうち、高い水準の研究発表を行った10%程度の若手研究者に対して授与されるものです。授賞は、2026年5月28日に出島メッセ長崎で行われたシンポジウムにて行われました。

受賞対象となった発表タイトルは「Observation of inverse orbital Hall effect in semiconductor gallium nitride using polarization-resolved terahertz spectroscopy」です。

固体に電流を流すと横方向に軌道角運動量の流れ(軌道流)が生じるという軌道Hall効果が近年理論的に提案されました。これはスピンHall効果とは違いスピン軌道相互作用を必要としないため、環境負荷が小さい軽元素材料を使った磁化制御技術の実現に向けて大きな期待が持たれています。2023年には軌道Hall効果の実験的検証がNature誌で報じられました。しかし軌道流を直接観測する術がないため、観測されるのは軌道蓄積や軌道トルクといった間接的な証拠であり、理論的に記述される軌道Hall効果とは大きな隔たりがあります。さらにこれまでの実験では薄膜試料や強磁性体と組み合わせたヘテロ膜試料が用いられており、表面及び界面の寄与や、強磁性体が試料の磁気的性質に与える影響が無視できません。

愛敬さんは、スピン軌道相互作用が小さい直接遷移型バルク半導体GaNを舞台として、紫外円偏光を使って試料に軌道角運動量を注入し、それを電場で駆動したときに横方向に流れる電流をテラヘルツ分光により計測するという独自の手法により、軌道角運動量から横電流への変換を観測しました。さらに光注入される軌道とスピンの偏極度及びそこから生成される横電流について高度な量子力学的理論計算についても自ら行い、実験と比較することで、逆軌道Hall効果の発現を実証しました。この実験ではフェムト秒超短パルスとテラヘルツパルスを使って超高速時間分解測定という形で逆軌道Hall効果を計測したため、光と電場が同時に存在するときに生じる非線形電流のアーティファクトの存在を示しつつ明瞭に除去できたという工夫も非常に重要です。この研究内容は、軌道角運動量と電流の相互変換をかつてなく明瞭に実証した成果として高く評価されました。

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(公開日: 2026年06月04日)