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愛敬公太氏(松永研M1)が日本物理学会第79回年次大会学生優秀発表賞(領域5)を受賞

松永研究室の愛敬公太氏(修士課程1年生)は、9月16日〜19日にかけて北海道大学で行われた日本物理学会第79回年次大会において、学生優秀発表賞(領域5)を受賞しました。同賞は日本物理学会の領域5(光物性分野)において若手の優秀な発表を奨励し、光物性・光科学技術研究を長期にわたり活性化するために設けられた賞です。

受賞対象となった研究は「Yb:KGWフェムト秒レーザーによる第二および第三高調波発生の最適化と分散の影響」です。

第79回年次大会学生優秀発表賞(領域5)

学生優秀発表賞(領域5)を受賞した愛敬公太氏

近年、高強度超短パルスレーザーを使った超高速分光実験がさまざまな物質に対して幅広く行われています。光電場に強く依存した新奇非線形現象を引き起こしたり、物質中で引き起こされる微小な応答を精度よく光計測するためには、光パルスの強度だけでなくパルスの安定性も非常に重要になります。そうした観点から、最近では非常に出力安定性が高いYb:KGW結晶ベースの近赤外超短パルスレーザー(中心波長約1030ナノメートル)が注目されています。さらにこのパルスを基本波として安定性を十分保ったまま波長変換を行うことができれば、さまざまな物質に対して高強度パルスを使った精密分光が可能になると期待されます。

愛敬氏らは、第二高調波発生および第三高調波発生における波長変換効率とパルス揺らぎに注目し、実験と詳細なシミュレーションを実行しました。高強度レーザーを使った波⾧変換では第二高調波発生の逆過程である後方変換が不可避であることを示すとともに、基本波パルスのチャープと非線形結晶の位相整合条件を制御することで、後方変換を利用して変換効率とパルス安定性の向上を達成できることを実証しました。本研究で得られた知見は、今後の光誘起超高速非線形現象の高精度測定において大きく貢献することが期待されます。これらの成果が評価された結果、同賞の受賞に至りました。

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(公開日: 2024年11月22日)