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青木俊太氏(井手上研D2)がフラーレン・ナノチューブ・グラフェン総合シンポジウム若手奨励賞を受賞

井手上研究室D2の青木俊太氏が9月24日から26日にかけて台湾で開催されたt第69回フラーレン・ナノチューブ・グラフェン総合シンポジウムの若手奨励賞を受賞しました。この賞はフラーレン・ナノチューブ・グラフェン学会において、優秀なポスター発表をした若手研究者、および学生に授与されるものです。

受賞対象となった発表タイトルは「Giant modulation of the second harmonic generation in van der Waals antiferromagnet CuCrP2S6」です。

層状物質を剥離して得られる原子数層からなる原子層物質は、元の3次元物質とは異なるさまざまなユニークな物性や機能性を示し、基礎・応用の両面から注目を集めています。青木氏は、原子数層で磁気秩序と誘電秩序を併せ持つような原子層マルチフェロイクスに着目し、その特徴的物性を第二次高調波発生(SHG)によって調べました。その結果、原子層マルチフェロイクスにおける構造相転移や磁気転移を反映したSHG応答の観測に成功しました。また、磁気秩序と誘電秩序の結合から生じる電気磁気効果(磁場によって電気分極が生じる現象)を反映したSHG応答が磁場下で現れることや、膜厚によって物質の対称性が変化することで、この電気磁気効果を反映したSHG応答が変調されることを明らかにしました。これらの結果は、電気磁気物性を原子層レベルで制御するための新しい原理を提示すると同時に、原子層マルチフェロイックが機能的ナノデバイスの有望な構成要素になり得ることを示しています。

これらの研究成果と優れた発表が高く評価され、本賞が授与されました。

関連論文

    S. Aoki et al., Adv. Mater., 36, 2312781 (2024).

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(公開日: 2025年11月11日)