北京大学のYing Jiang教授(2020年仁科アジア賞受賞者)が来訪
10月14日から16日にかけて、北京大学のYing Jiang(イン・ジャン)教授が物性研へ来訪しました。
Jiang教授は走査プローブ顕微鏡を用いた研究を行なっており、特に、水分子の膜生成、配向、量子現象の分子レベルでの実空間観察による研究が高く評価され、2019年にアメリカ物理学会フェロー、2020年仁科アジア賞、同年Sir Martin Wood China賞等を受賞されています。今回、仁科記念財団の授与する仁科アジア賞の受賞に際し訪日し、物性研にて講演(物性研談話会)を行いました。
講演では"Unravelling the molecular origin of water/ice anomaly with scanning probe microscopy"と題し、氷表面の観測から水素1原子のトンネル効果といった量子現象を実空間で捉えるなど、基礎的かつ野心的な研究が紹介されました。最近では、パルスレーザーと組み合わせた時間分解計測や、量子現象の観測への関心からダイヤモンドNVセンターによる量子計測へと展開していること、最後には水素1原子をNMRで観測したいといった、非常に刺激的な話題が提供されました。
また本講演の前後には、吉信研、近藤研、岡﨑研を見学し、学生を含む若手研究者らとも交流を深めました。今後、表面分野での研究交流の活性化につながることが期待されます。
関連ページ
- 2024.10.15物性研談話会Unravelling the molecular origin of water/ice anomaly with scanning probe microscopy
- Ying Jiang| International Center for Quantum Materials (ICQM), Peking University
- 東京大学物性研究所 長谷川研究室
(公開日: 2024年10月18日)