元所員・藤井保彦 名誉教授がAONSA Prize 2023を受賞
元所員の藤井保彦 名誉教授が12月2日-8日に中国にて開催されたAOCNS 2023(Asia-Oceania Conference on Neutron Scattering：アジア・オセアニア中性子散乱会議)にて第７回AONSA Prizeを受賞しました。AONSA賞は、中性子科学・技術分野の利用または開発において著しい貢献をした研究者にアジア・オセアニア中性子散乱協会(AONSA)から贈られる賞です。
藤井教授は、中性子およびX線散乱の相補的利用による構造物性の分野を切り拓いてきました。特に、ハロゲン化水素やフラーレンなどの分子結晶の秩序・無秩序転移、高圧下におけるハロゲン分子の分子解離と金属化、SrTiO3やKMnF3などの構造転移とソフトモードの関係など、相転移に関する研究は国際的に高く評価されています。また物性研では、中性子散乱研究施設（現：中性子科学研究施設）の初代施設長を務め、共同利用の形で国内に中性子ユーザーを広めました。
これら長期にわたる顕著な研究業績、国内における中性子科学・中性子散乱施設の共同利用の推進、そしてアジア・オセアニア地域における中性子科学推進への貢献に対して、AONSA Prizeが贈られました。
受賞理由：“For his outstanding achievements in the structural and dynamical study of phase transitions of condensed matter by neutron scattering, promotion of the neutron science in Japan as well as the national user program for neutron scattering facilities, and dedicated contributions for the promotion of neutron science in the Asia- Oceania region.”