峯明史氏（岡﨑研 D1）が日本物理学会学生優秀発表賞を受賞
岡﨑研究室の峯明史氏（博士課程１年生）は、９月16日から1９日にかけて東北大学で行われた日本物理学会第78回年次大会において日本物理学会学生優秀発表賞を受賞しました。同賞は、若手の優秀な発表を奨励し、大会をより活性化するために設けられた賞で、学生によって行われた優れた口頭発表またはポスター発表に対して授与されるものです。
受賞対象となった研究は「極低温高分解能レーザーARPESによるカゴメ格子超伝導体CsV3Sb5における超伝導ギャップの研究」です。
カゴメ格子物質は原子が籠目状に配列した物質のことで、特異的な性質を持つことが知られています。例として、カゴメ格子を持つ磁性体は幾何学的フラストレーションを持つ物質として注目されていましたが、最近金属においてもさまざまな興味深い性質を持つことがわかってきました。
研究対象のCsV3Sb5は、カゴメ格子を持つ金属の１つで、特異な電荷密度波相と超伝導相が共存するとされている物質です。特異性の実証には超伝導ギャップの直接観測が必要ですが、CsV3Sb5は超伝導転移温度が低く、実験的な観測が困難でした。
今回、岡﨑研究室の極低温超高分解能レーザーARPES装置を用いることで、実験的な観測に成功、超伝導ギャップの運動依存性など複数の特異性を実証しました。
カゴメ格子超伝導体CsV3Sb5における超伝導の特異性を明らかにするとともに、その超伝導のメカニズム解明にも繋がる成果であり、優秀な発表であると評価されたため賞が授与されました。