池野辺寿弥氏(廣井研D1)らが物質・デバイス共同研究賞を受賞
附属物質設計評価施設 廣井研究室D1の池野辺寿弥氏、東北大学多元物質科学研究所の山田高広教授の研究グループが物質・デバイス領域共同研究拠点の第5回物質・デバイス共同研究賞を受賞しました。この賞は、物質・デバイス研究の発展に多大なる寄与をした共同研究課題および研究グループに授与されるもので、6月29日に九州大学にて行われた第11回 物質・デバイス領域共同研究拠点活動報告会にて授賞式が行われました。
物質・デバイス領域共同研究拠点は大学附置研究所間の連携プロジェクトとして、2010年度に発足したもので、北大電子研・東北大多元研・東工大研究院化生研・阪大産研・九大先導研の5研究所が連携し、12年間で5400件以上の共同研究を推進しています。その中で「次世代若手共同研究」は、大学院生・学部生・高専生が自ら研究を計画実行する目的で設立されました。
受賞対象となった研究課題は「トポロジカル半金属超伝導体の単結晶合成および特性評価」で、山田教授との共同研究で「次世代若手共同研究」に採択されていました。
トポロジカル半金属の一種であるノーダルライン半金属NaAlSiは、単結晶育成の報告が無くトポロジカルに起因した物性を測定するのは困難な状況でした。しかし最近、山田教授によりNaフラックス法を用いたNaAlSiの純良単結晶育成法が確立されました[1]。
そこで池野辺氏は本共同研究を通して、山田教授のもとでNaフラックス法の習得、および得られた単結晶の詳細な物性測定を行いました。その結果、トポロジカルに起因した表面状態が自発的に超伝導を発現することを見出しました[2]。今回はこの成果が評価され、本賞を受賞しました。