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石川 卓門(加藤研D1)氏、MagnEFi conference 2022の最優秀ポスター賞を受賞

加藤研究室D1の石川 卓門氏が、スピントロニクス分野の研究成果を議論する国際会議:MagnEFi Conference 2022にて、最も優れたポスター発表を行った者1名に授与されるPrize of Best Scientific Posterを受賞しました。

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受賞対象となった発表タイトルはSpin-Hall magnetoresistance in quasi-two-dimensional antiferromagnetic insulator / metal bilayer systemsです。

スピンホール磁気抵抗効果(SMR)は、接合系においてスピンホール効果と逆スピンホール効果が組み合わさることで生じる磁気抵抗効果であり、スピン流を用いた省エネルギーデバイスへの応用が期待され、盛んに研究されています。特に反強磁性体を用いたSMRは温度変化による符号変化や膜圧依存性などの特徴的な振る舞いが実験で観測されています。しかし、既存の理論では実験で観測されている広い温度領域でのSMRのふるまいを議論することが困難であり、未解明な点が数多くありました。

本研究では反強磁性体を用いたSMRを考え、非平衡グリーン関数法を用いた微視的理論を基に量子モンテカルロ法を用いた新しい計算手法を用いることで、温度・膜厚・スピンの大きさの依存性を議論しました。その結果、実験結果と一致する物理的な機構を明らかにしました。この計算結果および計算手法の新奇性・拡張性が評価され、ポスター発表者48名の中から受賞に至りました。

本研究は東京大学知能社会国際卓越大学院プログラム(IIW)の支援を受けて行われたものです。

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(公開日: 2022年10月19日)