新しいカイラル有機強誘電体の発見
東京大学物性研究所の野村肇宏助教と小濱芳允准教授の研究グループは、東京大学新領域創科学研究科のグループと共同で新しいカイラル有機強誘電体を発見しました。カイラルかつ有機物の強誘電体はこれまで数件しか報告されておらず、誘電体研究における重要な進展といえます。
研究対象となったのはBINOL・2DMSと呼ばれる分子性結晶です。カイラル分子(BINOL、1,1’-bi-2-naphthol)からなるフレーム中に極性分子(DMSO、dimethyl sulfoxide)がゲストとして取り込まれた結晶構造を有します。190 Kでゲスト分子の配向自由度が秩序し、結晶の対称性が破れることで強誘電転移が起きます。近年、有機強誘電体やカイラル結晶は広く興味を集めており、本物質も新たな誘電物性研究の舞台として進展が期待されます。
本研究は、J. Phys. Soc. Jpnオンライン版(4月28日)に掲載され、注目論文に選出されました。
発表論文
- 雑誌名:J. Phys. Soc. Jpn.
- 論文タイトル:Ferroelectric Transition of a Chiral Molecular Crystal BINOL・2DMSO
- 著者: Toshihiro Nomura, Takeshi Yajima, Zhuo Yang, Ryosuke Kurihara, Yuto Ishii, Masashi Tokunaga, Yasuhiro H. Matsuda, Yoshimitsu Kohama, Kenta Kimura, and Tsuyoshi Kimura
- DOI:https://doi.org/10.7566/JPSJ.91.064702
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(公開日: 2022年06月03日)