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後藤 弘匡 技術専門職員が日本高圧力学会功労賞を受賞

物質設計評価施設高圧合成室の後藤 弘匡 技術専門職員が日本高圧力学会功労賞を受賞しました。この賞は高圧力研究における技術の革新・発展に著しく貢献された者に日本高圧力学会より授与されるものです。授与式は、10月19日に日本高圧力学会 学会賞授与式にて行われました。

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後藤氏は、長年にわたり、高圧力を用いた研究分野における主要な全国共同利用施設である東京大学物性研究所の高圧合成室にて、マルチアンビル型高圧発生装置をはじめとした複数の高圧装置類、および高圧実験を行うために必要な部品を作成する多数の工作機械類、あるいは、試料の分析に使うX線回折装置など、共同利用に供される多くの高圧実験装置の維持管理およびユーザーへの研究・技術支援を行ってきました。そして、それを通して、高圧力を利用する研究の発展と若手研究者や学生への教育に大きく貢献してきました。また、同氏は、安定した温度測定が可能で、かつ、小型・軽量な対向アンビル型高温高圧発生装置の開発、中性子線を用いた高温高圧その場観察実験用セルの開発、中性子実験用の新型ジャケット付きアンビルとそれを用いた6-6式高温高圧実験技術の開発など、現在の高圧実験に重要な高温高圧発生実験技術の開発を行い、高圧力研究における技術の革新・発展に貢献しました。さらに、高温高圧発生実験技術を駆使した研究を自身でも実施しており、研究を通して得られた知見の一部は他の分野の実験にも応用され、それらの研究の進展に寄与しました。

以上のように、共同利用研究者への研究・技術支援、高温高圧実験技術の開発、および、高圧装置を駆使した研究が、高圧の科学と技術の発展において極めて重要で、かつ、大きく貢献してきたことが評価され、今回の受賞となりました。

関連論文

  • [1] “Behavior of light elements in iron-silicate-water-sulfur system during early Earth’s evolution”, Scientific Reports 11, DOI:10.1038/s41598-021-91801-3 (2021).
  • [2] “Hydrogenation of iron in the early stage of Earth’s evolution”, Nature Communications 8, DOI:10.1038/ncomms14096 (2017).
  • [3] “大容量プレスを用いた高温高圧中性子回折実験に向けて”, 高圧力の科学と技術 26, 99-107 (2016).
  • [4] “Application of X-ray radiography to study the segregation process of iron from silicate under high pressure and high temperature”, High Pressure Research 35, 130-138 (2015).
  • [5] “A simple opposed-anvil apparatus for high pressure and temperature experiments above 10 GPa”, High Pressrue Research 31, 592–602 (2011).

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(公開日: 2021年10月19日)