田中 宏明氏(近藤研M2)、理学系研究科奨励賞を受賞
近藤研究室の田中 宏明氏(M2)が、本学理学系研究科奨励賞を受賞しました。この賞は、学業・研究の奨励を目的に、研究活動において特に顕著な業績を挙げ、他の学生の範となった者に対し授与されるものです。
受賞対象となった研究は「角度分解光電子分光による磁性Weyl半金属の物性研究」です。
磁性Weyl半金属は、固体結晶に電流を印加したときそれに垂直に起電力が生じる異常Hall効果(AHE)を示すことを特徴とする物質群です。AHEは結晶の構造に内在する仮想的な磁場によって引き起こされることから、その解明にはミクロな電子の振る舞いを調べる必要があります。そこで強力な実験手法となるのが角度分解光電子分光(ARPES)であり、紫外線やX線などの光を照射することで光電効果により放出された電子を直接観測することで、固体結晶中の電子状態を明らかにすることができます。田中氏はいくつかの磁性Weyl半金属候補物質に対しARPES実験を行い、その電子状態やAHE発現の起源について研究を行いました。カゴメ格子積層結晶Fe3Sn2に関する研究成果は田中氏を筆頭著者としてPhysical Review Bに出版されており、その成果が評価されて今回の受賞となりました。
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(公開日: 2021年03月31日)