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多面体に基づく結晶構造デザイン

日程 : 2025年2月7日(金) 4:00 pm - 5:00 pm 場所 : 物性研究所本館6階 第5セミナー室(A615)及び ZOOM(Hybrid) 講師 : 横山 智康 氏 所属 : パナソニック ホールディングス株式会社 世話人 : 乾 幸地
e-mail: koji-inui@issp.u-tokyo.ac.jp
講演言語 : 日本語

材料物性を決定する根源的なパラメータは,組成と構造である.組成設計は,ドーパント元素の選択や代替材料の開発など,多くの分野で成功を収めてきた.これは,周期表によって望ましい組成を特定できることに起因する.一方,構造設計,特に結晶材料における構造設計は,組成設計よりも難しい.このような困難は,イオン伝導性,誘電性,磁性など,結晶構造に強く影響される物性の理解を妨げている.

こうした現状を踏まえ,結晶構造設計の実現のためには,まず結晶構造における最小単位を定義する必要があると考え,それを多面体と定義した.なぜなら,結晶構造は周期的に繰り返される単位の集合体であり,各単位は空間を隙間なく埋め尽くす多面体の頂点に配置された原子で構成されているからである.金属結晶だけでなく,イオン結晶も多面体に基づいて考えることができる.負に帯電したアニオンから成り立つ構造をフレームワークとし,そのフレームワークを構成する多面体の中心サイトに正に帯電したカチオンが配置されている構造としてイオン結晶を捉えることができる.よって,元素を制御し組成をデザインするように,多面体を制御し結晶構造をデザインすることで,効率的な材料開発を実現できると考えた.

そこで本発表では,四面体に基づいたイオン伝導体の設計[1]と,グラフ理論による多面体から結晶構造生成[2]の二つの事例に関して紹介する.

[1] T. Yokoyama, et al., arXiv, 2407.02838 (2024).
[2] T. Yokoyama, et al., Cryst. Growth Des., 24 (2024) 2168–2178.

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(公開日: 2025年01月17日)