テラヘルツ電場駆動STMとSTM発光分光法の融合による新規分光手法の開拓
日程 :
2024年11月27日(水) 1:30 pm - 3:00 pm
場所 :
D棟D120
講師 : 木村謙介 所属 : 理化学研究所 世話人 : 松永隆佑 (内線63375)
e-mail: matsunaga@issp.u-tokyo.ac.jp講演言語 : 日本語
e-mail: matsunaga@issp.u-tokyo.ac.jp講演言語 : 日本語
単一分子を可視化できる走査トンネル顕微鏡(STM)に発光検出技術を組み合わせることで、STMのトンネル電流を励起源とした発光測定が可能であり、原子スケールの高い空間分解能で光学特性を調べることが可能である[1-2]。一方で、励起源として用いられるトンネル電流は電気回路により定常的に流れていることから、STM発光測定の時間分解能は限られてきた。そこで、我々はシングルサイクルテラヘルツ(THz)パルスを用いてSTMのトンネル電流を超高速に駆動する技術に注目し[3-4]、THz-STMとSTM発光の融合による新規分光手法の開発に取り組んできた[5]。本講演では、THz電場駆動トンネル現象により単一分子を励起して、分子からの蛍光を検出することに近年成功したので紹介する。
[1] H. Imada, et al., Nature 538, 364 (2016).
[2] K. Kimura, et al., Nature 570, 210 (2019).
[3] T. L. Cocker, et al., Nat. Photon. 7, 620 (2013).
[4] K. Yoshioka, et al., Nat. Photon. 10, 762 (2016).
[5] K. Kimura, et al., ACS photon. 8, 982 (2021).
(公開日: 2024年11月12日)