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サブサイクル光電場ARPESで見る高強度現象

日程 : 2022年9月29日(木) 12:15 pm - 1:15 pm 場所 : Online(Zoom) 講師 : 伊藤俊 所属 : フィリップス大学マールブルク 主催 : 量子物質研究グループ 世話人 : 松永隆佑 (63375)
e-mail: matsunaga@issp.u-tokyo.ac.jp
講演言語 : 日本語

概要:
角度分解光電子分光(ARPES)は物質のバンド分散を直接観測する強力な手法である。超短パルスレーザーによるポンプ-プローブ分光法と組み合わせることで、超高速ダイナミクスの観測も可能にする。これまで測定の時間分解能はポンプ光のサイクル時間よりも長いスケールに留まっていたが、近年、サイクル時間の長いテラヘルツ(THz)領域のポンプ光を使うことで、サブサイクル分解能での時間分解ARPESが実現された[1]。
本発表では、このサブサイクルARPESを中赤外光(周波数20-40THz)の領域に拡張した最近の実験を紹介する。トポロジカル絶縁体Bi2Te3表面での電場強度はMV/cm領域に到達し、光電場で駆動される超高速電流とともに、フロッケ状態のサブバンドが光電場のわずか2サイクル後に形成される様子が観測された。さらにピーク電場強度においてフロッケバンドの電荷分布がバルクの伝導帯に到達する様子が観測された。これはバンド内電流と(非摂動)バンド間励起の協奏という高強度現象の微視的過程を運動量空間で直接見た初めての例となる。発表では、装置の技術的詳細や理論計算の結果も含めてこれらの結果を紹介したい。

[1] J. Reimann et al., Nature 562, 396 (2018).

参加をご希望の方は、下記googleフォームよりご登録ください。
https://forms.gle/7qNXd6RosGPoU4oSA


(公開日: 2022年09月02日)